「ねぇ、リリア。私、都に出てみたいわ」 「……………はい?」 呆けた表情のまま、お茶を淹れる途中でマリンを見つめたままリリアは固まった。 「ほら、手を止めないで。せっかくのお茶が冷めちゃう」 「は、はい…」 淹れたてのお茶の香りを嗅ぎ、一口すする。そしてお菓子を一つとった。 「とにかく、私は都にでて街というものを見てみたいのよ」 「なりません」 リリアは今度は固まらずきっぱりと言った。そんなリリアにマリンは唇を尖らせる。