リリアはすぐさま反論する。


「だからなんだと言うのです。完璧であることとわがままであることは違います」

マリンは一瞬、口をぱっくりと開けた。しかしすぐ立ち直りマリンも負けじと言い返す。

「完璧であるためには私はいつでも賢く美しくなくてはいけないわ!」

「マリン様が身に着けていらっしゃる物はそれはそれは高価なものです。確かにそれは完璧といえるかもしれません。でもそれだけなのです。

物が高価であっても貴女様自身が高貴でなければそれは仮初の美しさ。誰も認めはしないでしょう。

召し上がるものも高価。けれど好き嫌いをしていては美しくなるものも一切なりません」