リリーの気が収まると、シャーマは強く彼女を抱きしめた。


「すまない…随分長いこと迷惑をかけた」

「あなたのせいで! …マリンがっ…死んじゃったじゃないのよ!」

「お…ぁ…さ、ま…」

「なんだ…と?
まさか…いや、もしかして…私が…?」

「おと……ま?」

「いや、いい加減気付かねか?」


はい? と二人が振り向くと、小人たちはマリンを囲み二人をにらんでいる。
二人はマリンのところに駆け寄った。


マリンは弱く薄目を開いていた。

二人は言葉にならない叫びを上げた。


「生きてるの? 生きてるのね?」

「大丈夫か? 何か欲しいものは?」


二人の問いかけに、マリンは首を小さく振った。