「馬鹿言ってないでよ!
すぐに石を壊す準備を始めるわ!」
「待て待て! 石が何処にあるかわかってるのか?!」
「さっき影で見た光景で確信したわ。
悲しいけどね…確かに物を隠すには絶好の場所だし、亀裂ができてから変化が一切なかったことにも説明がつく」
「魔法がかかったなんかか。おまけにお前がやったもんだろ」
あまりに詳しいリリーに察しがついて、鏡は言った。
彼女の沈黙が真実を示す。
鏡は大げさにため息をついた。
「それはシャーマの馬鹿じゃなくて石のやつさ。全部終わったら説教たれてやれ」
「……ええ」


