Snow Princess ~雪の華~


「……おい、おいっ!大丈夫かッ!?」


悲鳴のような呼び声が聞こえて、薄目を開ける。天井が視界に入った。

――あれ? 私はいつ倒れたのかしら…?


頭を抱え起き上がると、鏡が心配そうにリリーを見る。


「大丈夫か?」

「影が彼と接触したわ」

「知ってる。おかげでけっこう魔力たまったぜ。だが…ひとつ、違う魔力が混ざった」


リリーは唇を真一文字に結んだ。
シャーマを助けに来た人影。よく知る魔力を持った人間。

それは1人しか思いあたらない。

彼女を慰めるように、鏡は言う。