「おおい」
「姫さんよ」
「荷物と馬の準備が」
「出来たでよ」
「いつでも出発」
「出来るだが、あんさんの」
「準備はいいか?」
「ええ! いつでもよくてよ!」
マリンは数週間の住処を出て言った。
どこから持ってきたのか、小人たちは馬に鞍や小さな馬車までつけていた。
マリンが目を覚ましてもう二日。
体力が回復するまでの間に、彼女は小人たちに城に戻りたい旨を伝えた。
はじめこそ彼らは反対したものの、マリンが本気であり遊びの気持ちが微塵もないとわかると、すぐさま行動を開始した。
彼らは王に姫の護衛を頼まれているため、城までついてくると決めたようだった。
助けを借りて馬に跨り、小人は馬車に乗り、小さな旅団が完成した。
「さあ! 行くわよ!」
「「おお!」」
そして、彼らもまた出発した。


