Snow Princess ~雪の華~

また、同じ頃にリリアも目を覚ました。


自室の机で水晶玉を使っていたのだが、そのまま机に突っ伏して眠っていたようだ。

日は既に高く登っている。
普段なら大慌てで支度をするところだが、今は場合が違う。


リリーからの最後の命令を果たさねばならない。

最小限の着替えと非常食をカバンに詰め込む。

――それから…

一瞬、伸ばした手を止めた。
視線の先には愛用の武器・鉤爪がある。

思い入れもあるが、過去の自分の面影を残す唯一の品でもある。

少し悩んでから、それもやはり荷物に入れた。


荷造りを終えて、リリアは思う。


――私は…どうすればいいんだろう…