Snow Princess ~雪の華~

「う…ん…?」


まぶたを開けると、やけに体が重かった。
そんなマリンの周りが突如騒がしくなった。


「おぉっ!」
「ずっと眠ってた」
「姫さんが!」
「遂に目を」
「覚ましたぞ!」
「良かった良かった!」
「お祝いだー!!」

「寝起きにいきなりうるさい!!」


だがドワーフ達には届かない。

マリンのベッドの周りでお祭り騒ぎを始めた。


「もう全く…」


唇を尖らせながらも、まんざらではなく、顔がほころぶ。

目覚めを待っててくれた人がいるということが、何だかやけに嬉しかった。