「自由? 楽になっていい?
笑わせないで下さいよ! それで一番苦しんでいるのは貴女自身じゃないですか!」


マリンは大声を上げて泣き出した。
流れる涙を拭うこともせず、そのままに。

リリアはその様子をただ見つめていた。


長い時間が過ぎて、マリンが落ち着いてきた時、リリアはしゃがみ込んでマリンと目線を合わせた。


「マリン様。人にはそれぞれ決まった役割というものがあります」

「役割?」

「はい。
自分の役割からかけ離れたことをしようとしても、なかなか上手く行かないものです。

だから人は自分の役割を探す為に色々と自分を試すのです」