「更にこうも言いました。
『このままではあなたを見捨てるかもしれない』と。
あなたは城の人間に見捨てられたんです。」


マリンの目に涙が浮かび出す。
だがリリアは止めない。


「あれだけ言って、ずっと続けたのにあなたは変わることを放棄したんです!」

「ち、違うわ」

「違いませんよ。
いつまでも過去を見つめ囚われて、自分でチャンスをどぶに投げ捨てたんです!

そうして今、見捨てられた自分からも逃げて逃げて、逃げ場がなくなってるじゃないですか!」

「う、うぅっ…」


マリンの体から力が抜け落ちた。