リリアは厳しい目でマリンを見つめる。
そして、マリンの顔から手を離した。


「覚えていらっしゃいますか?
私達がであって間もない頃、家庭教師の不備でケンカした時のことを」


マリンは頷いた。


「その時に私は言いました。

『皆から慕われるような人になってください。
国は王族だけでは成り立ちません、民あっての国です。
民から慕われない王など最悪の王です。そのようなお方にはならないでください』と」


マリンはまた頷く。
背筋を汗が伝い、体を固くした。

リリアは暗闇ながらもマリンの変化を感じとりながら、さらに続ける。