「どうか怒りを収めて下さい」

「イヤよ! 私はもう楽になっていいのよ!」


マリンはイヤイヤをするように頭を振り、滅茶苦茶に腕を振り回す。

リリアはもう片方の手も掴む。
そして、自分の片手でマリンの両手を拘束して空いた片手でマリンの顔を掴んで叫んだ。


「一体いつまで甘えてるつもり何ですか!?」

「うるさいうるさいっ! 私なんかいらない癖に! 邪魔だって思ってる癖に!」

「ああそうよ! 思ってますよ!」


マリンの動きがはたと止まった。
マリンはゆっくり顔を上げて、怯えた表情でリリアを見つめる。


「え…?」