中には水晶玉が入っていた。


「それはあなたの思うように使えば応えてくれるわ」

(確かに王には辛いかもしれません。でもリリー様、貴方様の言葉はマリン様も聞くと思いますが?)


リリーは目を伏せて首をふる。


「それは違うわ。
あの子は最後に自分のことを聞きにあなたの元へきた。
それが答えよ」

(だとしても私には言葉を伝える手段がありません)


リリアがあわてて書くと、リリーは微笑んだ。


「心配ないわ。思い出してみて。マリンがあなたに会いに来た時のこと。
普通に会話してなかった?」


リリアは目を丸くした。
言われて見ればそうである。

あの時、あまりに驚いてメモを忘れていた。