Snow Princess ~雪の華~

シャーマは出発のために階下へ降りる。


「これでいいんだ」


言い聞かせるようにつぶやく。


すべては───国のため。

何を行うにも、どんなことがあろうとも、何かが犠牲になろうとも、国を優先させろと教わってきた。


その教えが国を救うと、民を救うと信じてここまでやってきた。


困ったことがあれば古くから伝わる魔女の持つ魔法の鏡に聞け。
その指示を疑問に思うことがあれば心に従え。


それは、確かだった。
鏡の言うことは今のところ違えたことはない。
己の意思に従ってやったこともうまくいった。


何も疑うことなく、先人の教えを頑なに守って来た。
それが変わることはない。

今も、未来も。


だから、今自分がやっていることは正しいはずなんだ。