Snow Princess ~雪の華~


「これよ…シャーマが御石に抗えない理由はこれだったんだわ!」


正直、ずっと不思議には思っていた。
自分やリリアたちは石の存在を知り、正体を知っても尚、石に操られて己を失うことはなかった。


しかし、石を確実に知っているはずのシャーマが一番石から被害を受けていた。

それらは全て、この術式によってシャーマが洗脳を受けていたからなのだ。


先人が仕掛けた術式、国を守ることしか出来ない石、その二つに傀儡にされた王。


現在のようなこじれた事件が起きることは必然だったのかもしれない。

シャーマは国の闇の被害者に過ぎないのだ。


「助けなきゃ…」


無意識に口に出していた。