「ケンカは、相手と意見が食い違ってするものと相手をいじめるものがあります。
相手をいじめるのが悪いケンカ。相手と意見が食い違ってするのはいいケンカなのです。
何故意見が食い違うものはいいケンカといえるかわかりますか?」

「……」


マリンはうつむいて自分のつま先を見つめていた。
リリーはマリンの隣に座り、頭をそっとなでた。


「それはね、お互いの意見をぶつけ合うことで相手を分かり合うことが出来るからです。
今回のケンカはどちらかしら?」

「……わかりません」

「それは何故?」

マリンはもう一度、今回のことを初めから思い出してみた。

「リリアが私よりも出来るのにわざと悪くして私をあざ笑っているかもしれない」

「それは、リリアが自分からそう言ったの?」


マリンはまた沈黙した。


「では、貴女はリリアの言い分を聞かなかった訳ですね?」