「普通の人間にとって幽体離脱は逃げたい心の現れ……すぐに気付くべきだったわね」


リリーは拳を握りしめた。
リリアは心配そうにリリーを見つめる。

彼女は大きく息を吐き出した。


「問題がありすぎるわね…それも仕方ないか。
ごめんなさい、少しだけ考えるわ。それまで待っててちょうだい」


決意を固めるように、リリーは口を真一文字に結ぶ。
それを見て、リリアは頷いて下がった。


リリーは足を魔女の部屋に向ける。


「手遅れにはさせない。絶対に――!」


彼女の瞳は強い意思に燃えていた。