「よし。
だが、ここからが問題だった。
人は変わる。時がたてば尚更のことだ。
始祖が年老いていなくなった後、人々の興味は外に向いた。
出られないことに気づいた何人かが反乱を起こしたりして、国は崩壊の危機に瀕した。
当時王だった男は気弱で火種をとめる力は無かった。
だが、ある日突然人が変わり反乱分子を徹底的に打ちのめし、それから多くの法律を作り、国民に渡る情報を大幅に制限した。
それから、国は安定し、騎士団が出来て、魔法が廃れ始めた」
「このことと魔法がどう関係するの?」
リリーは身を乗り出して聞く。
鏡は落ち着いて答える。
「魔法とは、神に近い力。魔力を持ったものは神の支配から逃れることが出来る。
もちろん、神の御石の支配からもな。
そいつらが反乱の中心人物になったのさ。
掃討のときに多くの魔法使いは倒され、また魔法を持っていたものたちは差別と処罰を恐れて魔法を放棄した。
そして残った者たちは魔法を国のために使うことを条件に城に監視されることとなったんだ」


