Snow Princess ~雪の華~

「僕は仕事があるから行けないけど、これでちゃんと椅子はあるよ」


青年はちょっと嬉しそうに笑った。
マリンは昨日のことを思いだして、


「ちゃんと学習したじゃない」


そして、手招きして青年に近づいてもらい顔を近づけた。


「ありがとね」


青年の頬にそっと触れるとマリンは体を起こした。
青年は顔を真っ赤に、驚いている。
しばらくして、硬直から抜け出した。


「じゃあね」


そういって青年はギクシャクした動きでもときた道を帰って行った。