Snow Princess ～雪の華～

次の日、マリンは人生初の筋肉痛というものになった。

どうにか動くがそこかしこが痛くて何も出来ない。


けれども、帰るためと気合いを入れて、継母に教えてもらったおまじないをすると少しだけ体が軽くなった。


そして、重い体を引きずりつつふもとの森へと降りた。


「遅かったね」


降りたところに昨日の青年がいた。
マリンが息も絶え絶えなのをみると、不器用ながらもマリンを支えた。


「大丈夫？」

「あんまり…体のあちこちが痛くて」

「ふーん、変なの」


マリンは言い返そうとしたが、痛みが走って顔をしかめる。
すると青年はマリンを抱えあげた。

「え？ ち、ちょッ!!」

「おじさんの馬車はそこだから、おぶってやるよ」

「あ、ありがとう」


馬車の中には荷物の入った箱が多くあり、彼はそのいくつかで椅子を作った。