こうしてマリンとドワーフ7人との奇妙な同居生活が始まった。

ドワーフたちは森の木々の手入れなどをしながら食料を集め、マリンは家で炊事洗濯を担当することに。

だが家事など一切やったことの無いマリンに、そんな芸当が出来るわけが無い。

彼らの間では何度も衝突が起きた。


「んだぁら、なしてこの果物がこんな食えんもんに変わっちまうだが?」

「知らないわよ! 私は適当にやっただけよ!」

「お姫さん適当はだめだべ」

「料理はちゃんとやんねーと」

「洗濯物もシワシワだど?」

「着れたもんじゃねーなぁ」

「明日はまともなもん食いてぇど」

「んだんだ」


言い返すまもなく矢継ぎ早に小人から放たれる文句。
みなそっくりな顔で言うので誰が誰だかわかったものではない。

マリンはついに爆発した。


「だったら自分たちでやればいいでしょ! これまでそうだったんでしょ?」


すかさず小人の文句が飛ぶ。


「働かざるもの食うべからずだろ」

「うっさい!」


マリンは鼻息荒く地団太を踏んだ。