「山を7つ越えた向こうには人間が多く住んどるとは聞いたことがあるがの」


マリンはがっくりと頭を垂れた。


「そんな遠いなんて…」


ドゥーベは首を傾げ、マリンの頭をポンポンと撫でた。


「まぁ気を落としなさんな。
ワシらの家族を紹介しよう。こっちに来なされ」


マリンはショボンとしてドゥーベの少しばかり禿げた頭を見つめて部屋を出た。

マリンの寝ていた寝室の隣はリビングになっていた。
その部屋の光景を見て、マリンはあんぐりと口を開けた。

そこにドゥーベとそっくりな小人が6人くつろいでいた。


「紹介しよう。メラク、フェクダ、メグレズ、アリオート、ミザール、アルカイドだ」


ドゥーベが一人ひとり名前が言うたびに手を上げたりして返事をする。
が、しかし――

「えっ? どれが誰?」

「…慣れてからわかればよいだろう」


見分けるのは至難の技だった。