料理長は大きくため息をつき、厨房の係りの者たちは衝撃に備えて首をすくめる。
そんな防御策も無碍に、料理長は城中に響きそうな轟音で怒鳴り散らした。

「まぁったく! てめぇら!
もうすぐディナーの時間だっつうに何こんなところで油売ってやがる!!
ご主人様方のお食事より世間話が大事だってか!あぁ?」


部屋に居た全員が縮み上がった。
厨房係は皆以上の恐怖にすくみ動けない。

しかし料理長がギロリと睨むと体中の神経を無理やり呼び起こし脱兎の如く仕事場へと駆け出した。

そんな厨房係を見て思い直したか、他に何人かも同じようにそれに習う。