『心…?』
『悪いけど、お前がどうしたところでこの先の運命は変わることは無い。
オレに未来予知の力があるとかじゃない。状況をどう見てもそうなんだ』
『私は、嫁ぎたくなんかないわ』
『じゃあどうする?』
『………』
マリンは黙り込んで考えていた。
そして、覚悟を決めて目を見開くと、おもむろに椅子をつかんだ。
それを見て、鏡は首を傾げる。
そしてマリンはそれを高く振り上げた。
これにあわてたのは鏡のほうだ。
『え…まっ! ちょ、おい!!』
手足のない鏡。
力の弱い姫とはいえ、むなしく敗れ散った。
するとマリンはダッシュで部屋を抜け出し、自室に戻り、今に至るというわけである。


