マリンたちが地下に入ったのと同じ頃、リリアは城にたどり着いた。


息を整える暇もなく全速力で玄関ホールを駆け抜ける。

階段の手間で立ち止まり、少し戻って大広間を覗いてみた。

広間はガランとし、客は皆避難したようだ。
その中央に数人の人影。

シャーマ、リリー、二人の秘書が床の何かを囲み、厳しい表情で見つめていた。


「あれは……?」

「教皇とその他数人の死体よ」


リリアはざっと振り向きざまに武器で払った。


「うわぁ! っと危ない危ない」


事も無げに後退して避けたのは、リリアの探し人――ラミア