本当に長い話だった。
彼女が語った時間がではない。

その長さと重さを受け止められたのかわからない。

ただ、マリンはじっと聞いていた。

顔をあげ、ナナイを見つめた。
ナナイは嘲るように笑った。


「ククク…軽蔑したかしら?」

「ええ、かなり」


マリンは腕を組んで壁にもたれる。
そして、吐き捨てるように言った。


「くだらない
結婚のことで一生恨み続けたっていうの? おかしいわ」

「アッハハハ! 厳しい言葉。でも所詮きれいごとよ」

「別に王家に、拘ることないじゃない! 城だってそんな楽しいとこじゃないのに!」