Snow Princess ~雪の華~

憎かった。


私を最低の方法で踏みにじり、のしあがったローズだけじゃない。
私を見ようともしなかった王も、その間に産まれた姫も。


私は教皇であるこのベリルに嫁いだ。
あいつに追い付きたい意味もあってね。


でも私の不幸はそれだけじゃなかった。

どうしても、子供が出来なかった。

私がいつまでも王家を嫉妬していること、子供が出来ないことに呆れた夫はあろうことか、ローズに気を持ち始めた。


やりきれなかったわ。


私は何もかもローズに負けていた。


私の心を聞いてくれたのは、王家の外国人狩を逃れてきたゴーシェたちだったわ。

教会が保護してくれると思ったみたいでかなりの人数が集まった。

私はそこで思いついたの。

王家に仲間を殺された彼らと私の利害は一致する。

そうしてローズを誘拐した。