数分後、マリンは上機嫌でドリーシュの隣で馬に跨っていた。
ドリーシュは憤慨してぶつぶつと文句を言っている。
「おい。お前、隊長に何したよ?」
ともに護衛としてきたキーファは馬を寄せてぼそっと聞いた。
キーファのようなことはしないがやはり気になるのか、シーモアもいる。
まるで自分が悪いことをしたように聞かれてマリンは口を尖らせた。
「私の所為じゃないわよ。この先で待ってる誰かさんが私を呼んでいるんですって」
「そんなところに行くなんて危険ですよ姫様!」
「心配ありがとう、シーモア」
「大丈夫だろ、殺したって死にゃあしねーよこいつは」
「それ、シャレにならないからやめてくれないか?」
暗い地下とはいえ、広い坑道となっている道を一行は進んだ。


