Snow Princess ~雪の華~


ドリーシュが答える前にマリンが身を乗り出して言っていた。
団員は困惑してドリーシュの顔色を伺う。
ドリーシュは迷うそぶりを少しも見せず、きっぱりと言った。


「出来ません」

「嫌よ」

「なりません」

「どうしてよ!」


マリンはドリーシュの腕に縋って怒鳴った。
しかしマリンの細腕では彼はビクともしない。


「あなたはもうお休みになるべきです。もう心も体もボロボロなはずです。
これ以上苦しむことはおやめください!」

「あのぉ〜」


すごい剣幕で言い争っていた二人が同時に自分の方を向いたので、団員は「ひっ」と声を上げた。


「じ、実はですね…」