Snow Princess ~雪の華~

「おぉ、お目覚めになりましたか! ……どうかしましたか?」

「い、いいえ…また閉じ込められたのかと…」


マリンは肩を震わせて言った。
ドリーシュはそれを優しく包んだ。


「ご安心ください。我々がおります。
もうすぐ帰れますから」

「ええ…ありがとう」


マリンはドリーシュの胸に頭を預けた。

――少し前にも誰かにこうしてもらった気がする…もっと必死に、もっと強く

ドリーシュは孫娘を見るようにそっと抱き締めた。
騎士団員が走ってきて呼び掛けた。


「隊長!」


マリンの体からぬくもりが離れた。


「ご報告します!
メイドが報告した地下通路のひとつで主犯と見られる二人を発見、拘束しました!」

「連れてって!」