Snow Princess ~雪の華~

「本当!?」

「ただ俺1人じゃ無理だ。お前に協力してもらう」


リリアは歓声を上げて答えた。


「出来るなら何でも」

「じゃあお前の声をもらう」


リリアは固まった。


「俺に虚像を映さす対価にお前の声だ」

「他じゃダメ?」

「無理だな。
そう思う時点で声はお前にはかけがえのないものだ」


リリアは暫く考えた。
目を閉じ、眉間に深いシワが刻んでいる。
そして、目を開き言った。


「いい。お願いするわ」

「了解だ。声は少しずつ失われる。
そうだな…五時間後くらいに完全に消える」

「それまでに、全てを終わらせなくちゃね」


それで今に至る。

タイムリミットまで後三時間