「あなたが今日までやってきたことは他に誰も耐えられなかったことなの。
自信を持っていいし、我慢できなくなったっておかしくないわよ」

「そうそう」

「姫様のわがままったら、全くひどいんだから!」

「本当にそんなにひどいのか?」

メイドたちの話に勤めてまだ日が浅い者がたずねる。

「いえ、それは───」

「そりゃひどいわよ!」

否定しようとしたリリアの言葉を先ほどのメイドが遮った。

「まず、気に入った男なら使用人であれお客様であれ誰にでも超絶ぶりっ子」

「そうして気に入った奴で遊んでそいつが自分に惚れたりしたらあっという間に捨てるのよ!」

それは初耳だ。
リリアは目を丸くして同僚を見つめた。