「もうっ! 何するのよ!」


閉じられたドアを肩でどんどんと叩くが、何も反応はなかった。
マリンも抵抗し疲れてドアにもたれかかる。

私は何をしているんだろう。


本当なら今頃パーティも終わって正式に認められて、私の時代がちゃんと始まるはずだったのに。

あれよあれよという間に色々とあって、何一つ完璧に出来ないままに時だけが過ぎ去ってゆく。



お継母様に教えてもらったおまじないは効くどころか不幸を呼んでいるかのようではないか。


そんなことを考えている間にしばし眠りに降りていたようだ。

気づいてみれば外は静かになっている。

耳をしっかりドアにつけて耳をそばだてるが、物音一つしない。