小部屋の入り口に転がったままのマリンを、若い男が小部屋に戻す為マリンを起こした。

――こんな床に転がったりしてたらリリアに怒られるわ

ついさっきまで自分の面倒をみてくれていた少女が脳裏をよぎり、呟く。


「あーあ…ここにリリアがいたらよかったのになぁ」


自らが放った言葉にはっとして顔を上げたら、脳天と男の顎が衝突した。

男は痛そうな悲鳴をあげたが無視してマリンは叫んだ。


「そうよ! リリア! あの子は来てないの?」


男たちは肩をすくめるだけだった。

先ほどの衝突をマリンの反抗ととらえた男は怒った声を上げて乱暴にマリンを小部屋に押し込んだ。