キーファはテラスの裏にまわった。


「くそ! いないか」


リリアはその場を見て驚いた。
そこは斜面と立つテラスを支える基礎の間のスペースだった。


「こんなかくれんぼみたいなところに?」

「ああ。拗ねるといつもな。
けど、ここにいないとなると…!?」


微かな悲鳴。
確かに聞き覚えのある声。
素早く二人は同時に同じ方を向いた。


「行くぞ!」


キーファが言い出す前にリリアはもう走り出していた。