マリンの私室、寝室、テラス、魔女の部屋、ダンス練習室…

いろんなところを探してもマリンは見つからない。
リリーの私室を出たところで、キーファはイライラと言った。


「あんにゃろぉ…どこ行きやがった……」

「落ち着いてよ。どこか他に行きそうなところを考えなきゃ」


リリアは考えながら言い返した。


「だってよ!他に思うとこなんて俺には──あ」


何か思いついたようなキーファにリリアは顔を上げた。


「どうしたの?」

「あそこなら居るかもしんねぇ!」


キーファはそのまま踵を返して走り出した。
置いてけぼりを食らいそうになったリリアは慌てて追いかけた。


「あ! ちょ、待ってよ!」