「大丈夫だ。今リリアたちが探しに出ている。彼女はマリンに関してはプロだろう?」


リリーはシャーマをじろりと睨み付けた。
シャーマはたじろいだ。

「何かあったら恨みます」


それだけ言ってリリーは踵を返して足取り荒く去った。


――心配はいいけど、私は恨むなよ


シャーマは苦笑しながらリリーの背中を見送り、秘書二人に向き直った。
そして口を開こうとしたその時だ。
1人の兵士が最悪の知らせを持ってきた。


「陛下! 大変です、別室にてザルツゲン侯爵とラパス伯爵が死んでいます!」