「広間全体を結界で囲んだわ! 皆には申し訳ないけど広間には入れても、もう出ることは出来ないわ。
その後地下通路から避難してもらえば―」


そこまで言ってリリーは三人の様子がおかしいことに気が付いた。


「何かあったの?」


三人は項垂れ、事情を話した。
リリーは今にも倒れそうなほど青ざめた。


「私なら結界から出られます。探してきます!」

「待ちなさい!」


シャーマはリリーの手を掴んだ。


「離して!」

「落ち着け! 今君がいなくなったら此処で何かあった時に、どうするんだ!」


その言葉でリリーは抵抗を止めた。