マリンがもう一度口を開こうとした時、リリアが顔を上げた。

「わかりました。私もご一緒させてください」

うれしくて、マリンの顔は一人でにほころぶ。
それが初めてリリアにみせた心からの笑み。


その次の日から、二人は一緒に勉強をすることになった。

貴族の勉学といえば――
世の渡り方、ダンス、ピアノやヴァイオリンなどの楽器
国の政について、貴族の家と王家とのつながり、経済学などなど。


庶民には縁のないことばかり。
リリアのはじめこそは戸惑ったものの、すぐにそれらを飲み込んでいった。