リリーは呆れたように頭を振った。
「なんということですか…マリン」
「だって…嫌なら断ればよかった話です。でも、ついてきたということはそれくらいの覚悟は出来ていて当然でしょう?」
「いい加減になさい」
リリ−はぴしゃりとマリンを跳ね除けた。
「まず第一に、話をそらさないで。
今は責任の話をしているのであって彼の覚悟の話をしているわけではないのです。
第二に、その誘いを持ちかけたときそのリスクに関する話をしたのですか? 彼からはそのような話は伺っていませんが?
第三に、知らない人について行かないなどというのは、常識以前の常識です。
第四に、いい加減、自分がどれだけひどいことをしているか、また口にしているかを自覚しなさい!」
マリンの顔にさっと赤みがさした。


