チッと舌打ちをつくとマリンに背を向けてラミアを立たせた。


「おい! さっさと案内してくれよ!」

「ええ、はい! では、こちらです」


ラミアはリリアに心配そうな目を向けられたが、大丈夫!と頷き、騎士二人を連れて行った。

マリンもそのままついていこうとしたが、そのまま立ち尽くすリリアに気づいた。


「リリア? 行きましょうよ?」


リリアは何も言わずにただマリンの顔を見つめた。


「どうしたの?」

「姫様……それじゃあ、ダメですよ」

「?!─何のこと?」


リリアはそのまま何も言わずにマリンの横をすり抜けていった。