「それは出来ません。ローズ様に必ずお守りすると誓ったんですもの」
「…ローズ、か……」
シャーマは椅子に身を預け、暗く床を見つめた。
クッと自嘲的に笑うと、静かに言った。
「ローズも、マリンも…私の元から出て行く、か」
「そんな! ローズ様は……でも、姫は単なる気まぐれにしかありませんわ。
それこそ、気に病まないでください!」
「いや…もしかしたら、マリンは私が居ないほうが幸せだったのかもしれないな」
「!?」
リリーはシャーマを凝視した。
実の娘に彼はなにを言い出すのだろうか?
混乱するリリーをシャーマは疲れた目でまっすぐに見つめた。
「今日はこのことを相談しに来たのだ。マリンの将来を…な」


