だが、マリンはその手をきょとんと見つめている。 「デートってなぁに?」 男はびっくりしてマリンをまじまじと見つめた。 そしてまた笑い出した。 「デートも知らない箱入り娘とはね。これは案内のし甲斐がありそうだ」 男性はマリンの手をぐいと引き、走りだした。 「ちょっと! そんなに強く引っ張らないでよ!」 マリンは怒ったように言った。 ――何なのよ、こいつ! ……でも、こういうのも悪くないかも!