十字架

「渡辺さんってば、私の言葉づかいに違和感は感じませんでした?」


やはり…、違う。


言葉づかいといい、

サイトの話…、


それだけならなんの問題もない…
ただ仲間が増えただけ…
だけど…、

これは…?


「…渡辺さんってば、また気分が悪いですか?」

秘書は口許を緩め、また笑ってみせた。

「私の名前ね、『金屋 瑞帆』って名前なんです。
もちろん、単なる自己紹介じゃないことはうすうすわかるでしょう?」

「だ、だけど…、」

「なにが言いたいか分からないけど…数日前、1週間くらいかな?それくらいに本名をどこかに記さなかった?」