ほどなくして渡辺はコーヒーを入れ終え、秘書に手渡した。


「ありがとうございます。本来なら私がするべき事でしたのに…仕事を休憩してまで…。」

「説明口調でありがとさん。それに、今日は八橋はいないからラッキーだし…?」


渡辺はそう言いながら、秘書へと口許を近付かせた。


秘書は静かに渡辺の口許を人差し指で抑えて話だした。


もちろん、『あの話』をする為に…。