十字架


「…そうなのか?この渡辺という男がいると、都合が悪いのか?」

社長の問い掛けに八橋は口を開こうとしない。

「…どうだね…八橋くん?」


「…いえ。でも…あの…」

「八橋さんですか…」

渡辺はそう話始めると、八橋の前へと歩き出した。


「…どうりで、聞いた事のある名前だ…。」

渡辺がちょうど八橋の前に立つと、社長は渡辺に質問をした。