*雄治


アイツ…緊張っつったよな?


なんで緊張なんかすんの?


昨日のことで気まずくなったって思ってるから?


ってかアイツ、足速い………


俺は屋上の前でやっと徳岡を捕まえた。


「………なんでいるの?」


「ずっと追いかけてたから」


「うそっ?!」


コイツ…俺が追いかけてんの知らなかった?


どんだけ馬鹿なんだよ……(笑)


それくらい気付けっての。


「…ちょっと来い」


「…えっ?
芳賀くんっ?」


俺は徳岡の腕を掴んで屋上に行った。


「芳賀くんっ?」


「なんで緊張すんの?」


「………だって昨日、送ってくれようとしてたのに…1人で帰っちゃったから…気まずくなっちゃったかなって思って………」


やっぱ俺が思ってた通りだ。


そんなことかよ……


「あたしっ……
本当は芳賀くんに送ってほしかった……
芳賀くんと一緒に帰りたかったの…!」


…………今の聞き間違えか?


んなわけねぇよな…


俺と一緒に帰りたかったってマジ?



「…………き」


「……あ?」


「…芳賀くんが好き……」