もう全てに疲れてしまった。

憎しみを抱えることも、助けを求め歩き続けることも、息をすることさえも。


このまま寂しく悲しい終わりをむかえる覚悟で、何も考えることなく、何も感じることなく静かにその時を待っていた。


せめて最期にもう一度だけ彼に会いたい。
幸せだったあの頃のように優しく抱きしめて欲しい。彼のあたたかいぬくもりを感じたいと願ったとたん…

涙がこぼれた。

自分の愚かさと取り戻せない時間に後悔した。

とにかく最期にと強く強く願った。


すると、何かが唇にふれた。

懐かしく、ずっと触れていたくなるような感覚だった。

すると突然目の前がキラキラと輝き、朝日が目に飛び込んできた。
彼の心配そうにのぞく顔が見えた。

そして、優しく彼の腕に包まれた。

まるで、失われた時間など存在しないかのような感覚にまた涙がこぼれた。

空っぽになっていた心に強くあたたかな光がさした。

もう…
あなただけは失いたくない

眠りに逃げたりしない
永遠に
あなたのぬくもりを感じて
どんなことがあってもあなたを受け止めたい
永遠に
光の中で
あなたに愛を
捧げたい