俺様狼と子猫少女の秘密の時間①


「…んでっ」


「うっ…」


き、きた。


「じゃー宿題も終わったことだし? 心置きなく……」


あたしの部屋に移動して早々、クッキーをつまみながら鼻を膨らませて言う杏子。


「先輩って…どの先輩?」


「な、なんのこと?」


「ああ?」


ひっ…!!


とぼけるのは逆効果……。

となれば!


「篠原先輩だけどでもそれはお昼…」


「篠原!?!?」


わお。

びっくりした。

言い訳作戦も……あえなく撃沈……。


「ハァ」


こうなったら杏子からは逃げられない。

スイッチの入った先輩と同じくらいに…。


「ちょっ、篠原先輩って、あの!?」


「う、うん」


ていうか…なにをそんなに驚くの?

前先輩の話したと思うんだけど。


そのことに気付き、小首を傾げる。