いろんな意味で、ドキドキの止まらない胸。
一番大きいのは…苦しかったせいな気もするけど。
「なっ、なにするんですかっ…」
若干肩で息をしながら、あたしをじっと見つめる彼に声をかけた。
「あの…聞いてます?」
「お前」
「はっ、はいっ!」
きびきびした声で言われ、つい背筋をただす。
「……」
「…何組の誰」
「……は?」
何組の誰、ですとな?
きょとんとして、瞬きを繰り返す。
質問の意図が分からない。
意図は分からない…けど。
「えと。四組の澤村悠由です…?」
意味は一応分かるので、答えてみた。
何年ってのはいらないのかな、なんて。
のんきな疑問が浮かんできたりもして。
自分を見失ってしまいそう……とほほ。

